トップレベルの研究者が非正規雇用の日本は間違っている

いくらなんでも酷すぎる日本の最先端の研究の現状。なんでこんなに日本は大学や研究に対して冷たいんだろう。ノーベル賞を獲ったときだけ喜んだって何の意味もないのに…。研究は事業ではなく投資だということにもっと自覚的に運営していくべき。

ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さんが所長を務める京都大学iPS細胞研究所CiRA(サイラ)の「支援のお願い」がネット上で注目されています。iPS細胞研究は長期的に活用できる資金が必要不可欠であるとして寄付を呼びかける内容ですが、最先端の研究でも資金繰りに苦労する現状にさまざまな声が寄せられているようです。

 


 きっかけとなったとみられるのは9月11日に放送されたNHK「プロフェッショナル」。「55歳 覚悟の挑戦、ノーベル賞の先へ」と題し、山中さんの研究風景を追っていました。

 


 山中さんは支援を呼びかけるページで「財源のほとんどが期限付きのものであるため、弊所の教職員は9割以上が非正規雇用」と研究所の実情を明かしています。最先端の研究をしている研究所でも資金繰りに苦労し、正規雇用ができないという実情にネットからは「知的エリートはもう少し優遇されても良い」「将来性があるのに企業も乗らないのはおかしい」などの意見があがりました。

via: iPS細胞研究所の「ご支援のお願い」が話題に “9割以上が非正規雇用”の現状に「もっと優遇されるべき」の声 – ねとらぼ

 

世界トップレベルの研究者が資金繰りに必死

こんな「お願い」をトップレベルの研究者にさせるなんて、日本がいかに研究において後進国になってしまったのかわかるニュースもありません。ノーベル賞を数年連続で取り続けている現状は、もう30年も40年も前の研究成果のおかげであることがまったくわかっていません。

 

高度経済成長期の中で、潤担な資金を与えられ「役に立つのか?」などとすぐに問われないで済んだころの研究が、今になってノーベル賞のように評価されているんだよ。今、選択と集中なんて言って色んな研究の種をどんどん殺している日本が、同じく30年後40年後にノーベル賞を取れるか? 取れるわけがない。

 

ここ最近の研究者が、ノーベル賞を獲った後に必ず「いまの研究状況だとノーベル賞はもう撮れなくなるだろう」といって財団や基金を作っているけれど正直焼け石に水だろうというのが正直な気持ち。だって、そもそも政府が研究や大学を舐めているとしか思えない。

 

なぜ日本の研究は舐められるのか

実際、日本の研究が舐められているかというと必ずしもそうではない。実際、相当量のお金が研究に投入されているのは事実で、世界で見ても結構な額が研究のために使われている。でも問題は、そのお金の大部分は企業が自社の研究開発に投入しているということ。政府が投入してるわけじゃない。

 

そしてそれが何を意味しているかというと、つまるところ「役に立つ研究」「お金になる研究」にお金が使われているということ。もちろん企業が研究にお金を出す時はちゃんとビジネス的な期待があるものにしか出来ないんだし、それは普通だから何も非難されるべきことじゃないよね。

 

問題は、政府が企業などが投資しないような基礎研究にお金を投入していないこと。なんでこんなことになっているのかさっぱりわからないよ。だってそういう投資が今になってあらゆる基盤になっていることくらいわかるのに…。選択と集中はビジネスの話であって、研究とは相性が悪い。だって研究は、色んなものをどんどん研究者が取り組んで、そのうちの何個かがホームランになるようなものなんだから。

 

最初から成果が出ることがわかっているようなものは、そもそも研究じゃない。研究は「未知の世界を切り開いていくもの」なんだから予想が付かなくて当然なのだ。

 

でも、最近の政府は「獲得資金」などと銘打って、素晴らしい研究計画に対してだけ分厚く、それ以外にはうすーくしか資金を提供しない。そのお金も毎年1%ずつ削っていくというのが基本方針。そんなの「成果がすぐ目の前に見える」ものしかお金がもらえないに決まってるし、研究の本質を思いっきり間違えているとしか思えないんだけど…。

日本の研究力は終わりを迎える

最近、僕の友人もトップ層はどんどんアメリカの有名私大に行ったりしていて、このまま行くと日本に残るのはそういう能力が無い人とか、語学が苦手な人(世界の論文は当然英語で書かれるので、語学が苦手な人は世界的な研究者には絶対になれない)だけになってしまう。

 

日本の科学技術力が下がっても良い、それにともなって経済が縮小しても良い、日本が滅びても良いと思っている人にとっては何の問題もない話だろうけれど、もしそうじゃないなら、この大学とか学問や研究にお金が投入されない現状はもっと問題視しないと行けないと思う。

 

競争的獲得資金ではなく、もっと薄く広くアカデミックの人達が生きていけるような形で資金を配分するべきだと思う。心の底からそう思う。

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