AIの発達で失われる労働:建設現場にホワイトカラーとロボットだけがいる時代

力があれば出来る、そういう仕事が全てロボットに奪われるまで時間の問題かもしれない。ある技術を磨くよりも、それを代替するロボットを操作する技術を磨く方が良いのかも。とはいえそういう学習にはお金も時間もかかるし、普通は無理だよなあ。

人手不足が建設業界でも深刻化するなか、大手ゼネコンの「鹿島建設」は、トラックや建設機械の運転を自動化する実験を進めていて、20日その様子を報道陣に公開しました。

鹿島建設が自動運転の実験を行っているのは、神奈川県小田原市に保有するおよそ2ヘクタールの土地です。

実験では、作業員がタブレット端末で工程を入力すると無人のトラックが荷台の土砂を降ろし、無人のブルドーザーが平らにならしていきます。そしてローラーが付いた無人の機械が土砂を踏み固めるまでの作業などを繰り返し行っています。

このうち無人のブルドーザーは、熟練の技術者による運転データを基に、効率的に土をならす作業ができるということです。
またすべてのトラックや機械は、GPSでほかの機械との位置関係を把握しながらレーザーも活用して衝突を防ぐようにしているということです。

すでにダムの建設現場では、一部実用化しているということで、今後は工場などより幅広い建設現場で使えるように精度を高めるとともに、油圧ショベルなどより多くの建設機械の運転を無人化する実験を進めたいとしています。

鹿島建設の三浦悟自動化施工推進室長は「天候や土砂の種類などさまざまな条件に対応できるよう実験を進め、将来的には作業員1人だけで造成工事をできるようにしたい」と話しています。

via: トラックや建設機械の運転自動化 実験公開 大手ゼネコン | NHKニュース

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消えていく労働

凄まじいニュースですね。人手を使って仕事をするイメージがかなり強い建設業界にて革命が起きつつあります。ロボットとそれを操作する人だけがいる現場。にわかには信じられません。

しかし、どうやらこれは現実のようです。そこには力を使ってお金を稼ぐ人達はいません。力が必要ならロボットに頼めばいいのです。極めて高度な専門技術を持っている人間だけが、ロボットにその技術を奪われない内は求められるでしょう。

社会にあるたくさんの仕事は、それを誰かがやらないといけないからあります。誰もやらなくてよくなってしまったら、仕事はこの世界から無くなります。それは稼ぐ手段を失うということでもあります。

このようなAIとロボティクスの発達は喜ばしいように見えるのと同時に、何か大切なものが根こそぎ失われてしまうような恐怖を同時にもたらします。例えばコンビニの仕事をロボットが全て代用出来るようになったら–働きたくても働けない人が増えるでしょう。

経営者にとってはホクホク

このようなAIやロボティクスの発達で喜ぶのは誰か。答えは極めて単純で、それは経営者です。マネジメント層と言い換えてもよいかもしれません。なんといっても一度買えば後は維持費だけ。いくら働かせても文句は言わず、部品を取り替えたら修理も簡単です。

企業経営において大きなコストになるのが人件費ですから、それをすっかり省くことが出来ることは凄くプラスなことです。その分の浮いたお金は投資に回すなり一部の人間の給料に回すことが可能です。

そしてそれは経営者以外の消費者にとってもメリットでしょう。商品やサービスの値段が下がるわけですから、それは嬉しいことですよね。問題は消費者もまたお金を稼がなくてはそれがどんなに安価でも買えないということですが……。

しかし、これが単なる夢物語ではないことくらい現代に生きる人達は知っているはずです。工事現場の作業の多くは、高学歴ではない人達によって行われています。それは決して悪いことではありません。いわゆる勉強が出来なくなたって、現場の実践知や技術を高めて仕事をするというのは生きていく上で必然です。

労働と教育

アメリカでは、このように労働をロボットが奪う未来が明らかに示されており、そのためにどうするかという議論が起きています。例えばAmazonの倉庫で作業している労働者に対して、この仕事がなくなった後に働けるように教育プログラムを施しているのです。

詳細はわかりませんが、恐らくコンピュータ技術などこれからの将来に求められるであろう技術が身につくようなプログラムになっているはずです。来るべきテクノロジーの世界において、ロボットに職を奪われるのではなくロボットと仕事をしていける人材を育てようというわけです。

翻って日本ではどうでしょうか? そんなプログラムは聞いたことがありません。ギリギリまで人間を安くこき使って、ロボットが使えるようになったら人間はどんどん切り捨ててロボットが作業するようになるでしょう。

そしてそこには、次の仕事を見つけることも出来ない、教育を与えられることもない、スキル無き元労働者が大量に置き去りにされていくのです。端的に言って、恐ろしいですね。

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